シルクマスクは夏涼しいのでしょうか?
「涼しい」と感じていただける可能性は高いと考えますが、その「涼しさ」の定義を明確にしておく必要があります。
接触冷感と持続的な涼しさの違い
「涼しさ」には主に以下の2つの要素があります。
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触れた瞬間に冷たい(接触冷感):一時的な感覚
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着用中ずっと快適(持続的な涼しさ):マスク内の温度・湿度管理
世にいう「接触冷感」素材は、1. 接触冷感の指数($Q_{max}$値など)が高いことを示しており、触れた瞬間に「ひんやり」と感じる性質です。
これは数値で示される客観的な特性であり、当社のシルクマスク生地も接触冷感試験を実施し、基準とされる0.1以上の数値を得ています。したがって、触れた時にはひんやり感を感じていただけます。
しかし、2. 持続的な涼しさ(着用中ずっとひんやりする)を実現するのは極めて難しいのが現状です。これは、外気の冷却ではなく、主に着用者の吐く息の熱と湿気がマスク内にこもるためです。継続的な冷却には、保冷剤やファンといった能動的な冷却手段が必要となります。
シルク素材の優位性
マスク着用時の快適さを左右するのは、主に素材の選択と形状です。形状には限界があるため、素材が快適さに大きく影響します。
客観的に見て、シルクはマスク素材として相性が良いと言えます。その理由は、シルクが持つ優れた吸湿性と放湿性です。
シルクの機能性
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高い吸湿性:着用者の呼気に含まれる湿気や水分を素早く吸収します。
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高い放湿性:吸収した湿気を速やかに放出・蒸発させます。
この機能により、マスク内がじめじめせず、サラサラとした肌触りが持続しやすくなります。この「サラサラ感」こそが、マスクを着用し続ける上での「快適さ」、すなわち持続的な涼しさにつながります。
当社製品の工夫
当社のシルクマスクでは、肌触りと機能性を追求し、裏地にはサラサラとした肌触りの羽二重(はぶたえ)、通気性を重視したいインナーマスクなどには絽(ろ)といった、生地の織り方にも配慮したシルク素材を使い分けています。
まとめ
「夏マスク=ひんやり(ずっと冷たい)」と解釈されることもありますが、当社のシルクマスクは、接触冷感による「ひんやり感」に加え、シルク本来の高い吸放湿性によって、不快な「蒸れ」を軽減し、「安全で快適」に着用できるよう努めて開発されています。
接触冷感試験の補足

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当社の接触冷感試験の数値は、自社マスク生地における結果です。
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この数値は絹素材一般に当てはまるわけではありません(JIS標準の絹生地では低い数値が出る場合もあります)。
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試験環境や条件が異なるため、他社製品との数値比較の妥当性については判断しきれません。















