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絽と紗の違いについて

図をまじえて詳細に説明いたします。

「絽(ろ)」、「紗(しゃ)」とは夏の着物や僧侶の衣として用いられる織物の名前です。

着物では、主に7月8月の盛夏を中心に、6月から9月ごろまで着るものとされています。

特徴としては、しっかりとした生地でありながら、目(すき間)が開いており、清涼感を感じさせるものです。

まとう側も涼しいだけでなく、その品の良さから周りにも清涼感を与えてくれます。

 

  夏の正装着にも使われる、夏物生地の王道。

 

紗 透明感と清涼感に溢れる。 

 

私たちは、絽と紗の生地を織る工場ですので、ここでは絽と紗がどのような織物か、どのような特徴があるのか、絽と紗の違いは?など織り方を中心にを知って頂きたいと思っています。

 

 

なお、説明に入る前に、絽と紗の生地を触って違いを確認したい場合は、実際の生地サンプルのついたパンフレットを申し込みください。無料でお送りしています。ルーペで組織を見ると面白いですよ。

 

  

そもそも、絽と紗って どういう織物

 

 

一般的な織物との外見の違いは、生地に目があいていて清涼感を感じさせるものであることです。

では、この目が開いている部分、どうやっているのでしょうか?

たて糸の間隔、よこ糸の間隔を粗くしているのでしょうか?

いいえ、絽と紗は違うのです。

 

絽と紗は、からみ織(もじり織)という特殊な織り方で、隙間をあけているのです。

まず、紗の組織図をみてください。

 

からみ織は、となりあうたて糸をねじり、よこ糸をいれる織り方です。

紗は、よこ糸を一本いれては、たて糸をねじり、よこ糸を一本いれては、今度はねじり戻し・・としていきます。

 

 

ねじるとどうなるの?

 

たて糸をねじり、よこ糸を上下から抑えこむことで、糸がずれずらくなります。

厳密にいえば、よこ糸どうしは絶対にくっつきません。

なぜなら、ねじられている部分があるので、よこ糸どおしが密着することがないからです。

 

もしお近くに目の粗い織物などがあったら見たり、触ってみてください。(例えば、ガーゼとか)

糸が不均一に並んでいますし、さわると簡単に目がずれます。

これは、一般的な平織(ひらおり)という織り方で、糸どおしの感覚を粗くしているだけなのです。

 

からみ織は、たて糸をねじって、よこ糸を上下から挟み込んで動きづらくしています。そして、ねじった部分は糸がつまらないため隙間があきます。

 

隙間が均一に開いているのは、よこ糸の感覚を調整して隙間をあけているのではありません。たて糸をねじっている部分には、よこ糸がつまらないので、隙間になってしまうのです。

実際の拡大写真をつけます。

ねじっている部分が邪魔して、よこ糸どうしがくっつかなくなっているのです。

 

今度は絽の組織図を見てください。

絽は一定の感覚で目が開いた織物です。

紗との違いは、その隙間が一定の間隔でできるというものです。

絽は、上記組織図のように途中に平織という平らな部分をいれています。

 

 

紗はよこ糸一本ごとに、たて糸をねじるのに対し、絽は、一回ねじってから、途中に平織をいれ、またねじります。ねじる間隔の違いで、絽と紗に分かれます。

 

 

 

なぜ、絽は途中に平らな部分をつくるの?

 

これは、細かい柄を描けるようにするためと思われます。

諸説あるようですが、紗は平安時代に生まれた織物と言われています。その後、江戸時代に染色技術が発展した時に、紗は精緻な柄を美しく染めるのがむずかしく、途中に平織りをいれた絽が生まれ、絽が留袖、訪問着、付下げ、小紋といった正装にも使われる夏の定番になったとされます。

着物では紋を入れるなどフォーマルの席に多く用いられ、絽目の整然さが凛とした美しさをうみます。

 

絽の種類は?

途中に平織りをいれるよこ糸の本数で呼び名が変わります。よこ糸3本いれて平織りをして、からみを入れ絽目をつくると、3本絽(3越 みこしともいいます)、よこ糸を5本平織りをいれて、絽目をつくると5本絽(5越 いつこしともいいます)と言われます。帯に使う絽などでは13本絽などになり、ほとんどが平織り、ところどころ絽目があく、というようになります。

また絽目を不規則につくるものを乱絽などともいいます。

つまり、一口に絽といっても、絽目をどのように作るかで、生地の質感も見た目も変わってくるのです。

 

なお、この〇本絽というのは必ず奇数になります。なぜなら、ねじったたて糸をまたねじり戻す場合、平織り部分が奇数回でないと、たて糸・よこ糸の上下関係がうまくいかない為です。

 

絽の質感

平織り部分があるため、使う糸の種類により、肌触りが変わってきます。きものでは、駒糸をつかったサラッとした駒絽(こまろ)。平糸(撚糸ではない糸)を使った主に男性やお坊さんがお召しになる光沢をだした平絽(ひらろ)。ちりめん用の強撚糸をつかった絽ちりめんなど、様々です。

 

絽紗の絽と紗は?

本来、きものやお坊さんの衣など衣類として用いることが多い絽と紗。私たちはその生地を4分の1以下という重さにしたストール向けの絽と紗を開発しました。また、たて糸よこ糸の種類、本数、糸の密度、糸をねじる方向など、様々な試行錯誤をし、日本の様々な染にあうバリエーション豊富な絽と紗の生地を作っています。

 

おさらい

私たちが思う、絽と紗の良いところは以下だと思っています。
・目が開いている織物のため、風通しがよく涼しい、薄く・軽い。
・見た目にも涼しいので、 周りの方へも清涼感を与える。
・絽目が規則性をもち整然とあいている、品がある。
・たて糸を絡めることで、よこ糸を抑え込むので、清涼感があるのに目ずれしづらい。

 

さいごに

実際に、絽と紗の言葉はわかるけど、違いがよくわからない、という方は大勢いらっしゃいます。そのために絽と紗の生地をひとつひとつパンフレットに張り、普及活動をしています。

 

夏のきものの絽と紗を着る方は少なくなっています。きものを着る方がすくなくなり、さらに絹のきものを着なくなりました。わざわざ夏のきものを用意する方もすくなくなり、きものはカジュアル化が進み夏は浴衣になりました。

 

私たちは絽と紗を織る白生地工場です。きものとしての需要が少なくなったなら、新しい生きる道を作ってあげたい、と思いで、ストール向けの絽と紗の生地を開発し、シルクストールブランド「絽紗」をたちあげました。

 

是非、実際の生地に触れ、絽と紗をより深く知って頂き、絽紗ストールを通じて、きものに関心を持っていただいたり、絽と紗のきものを着てみたい、という人が一人でも増えてくれればと思っています。生地サンプルつきパンフレットは無料でお送りしていますので、以下よりお申し込みください。