新しいナイトキャップを開発するにあたり
シルクマスクを通じて絽紗の上質なシルク生地を知って頂いた方々から「ナイトキャップ」「まくらカバー」などヘアケア関連商品を作って欲しいという声を多数いただきました。もともと、「シルク＝動物性タンパク質＝肌や髪と同じ成分」で相性がよいこともあり気になっていましたが、お客様からの後押しをうけて商品開発することにしました。ただ、ただ他の形を真似て作るのは「絽紗」のアイデンティティではありません。
このページをご覧いただく方と同じで、
- まずナイトキャップは何をするための商品？
- 本当に髪に効果があるの？
- 何か課題・問題点はないの？
- どのようなナイトキャップがおすすめなの？
などを追求し、結果、2022年4月に新しい商品を開発しました。
その私たちの商品開発プロセスで確認した内容は、これからナイトキャップを使ってみたいと思っている方、今使っている方に知ってほしいと思い、こちらに簡潔にまとめました。
目次
ナイトキャップのよくある質問・疑問
- ナイトキャップに期待していることは？
- 本当に効果あるの？
- 素材は何がおすすめ？
- 形状はどういうのがよいの？
- まくらカバーとどちらがよいの？
ナイトキャップに期待することは？
ひとことで表すなら、美髪。そのために・・夜寝るときの髪のケアとして
- 髪と寝具との摩擦を防ぎ、髪へのダメージを減らしたい
- 乾燥による髪、頭皮へのダメージを防ぎたい
- 髪が絡まないようにしたい。
- 朝起きたときの寝ぐせを防ぎたい
確かに美髪でいるためには日中紫外線からのダメージを防ぐために日傘、帽子をかぶるのと同じように、夜寝るときも少しでも摩擦による髪へのダメージ減らしたい、と思いますものね。
そして、
- 髪が整っているので、朝のセットの時間が短縮
- 冬など冷えている時にキャップをしていると温かい
というプラスの効果もあり、それらを主目的としている人も多いようです。
つまり、ナイトキャップをすると髪や頭皮のダメージを防ぎ（摩擦・乾燥）、寝ている時もあたたかい。
そして寝ぐせがつきづらく朝起きてから髪をセットする際の時短にもなる
という訳です。これは確かに魅力的ですね。
ナイトキャップは本当に効果あるの？
では髪によいことだらけのナイトキャップは本当に効果があるのでしょうか？世に多くある商品のレビューを分析してみました。
髪が潤った／朝整っている、という効果性に感謝しているものも多いです。
逆に、あまり効果が感じられなかった。と思っている方もいました。
何事も完璧ではないので両方の意見があるのは当たり前ですが、レビューを見ていて気になったのは効果性とは別の部分での課題です。
ナイトキャップの課題
- 朝になったらナイトキャップが外れていた。
- 寝ている間、頭が蒸れて頭皮が痒くなった。
- ゴムの締め付けが気になり安眠できない。
- ゴムの後が額についていた。頭痛する。
- 長期間使うとゴムが伸びて外れやすくなった。
- 髪を帽子の中にいれるやり方がよく分からない、分かるけど面倒
- まくらカバーにすればよかった。
- 給食帽のようなデザインが好みでない
- ギラギラした光沢感が寝衣とマッチしない。
- 裏がシルクでなかった。
これらは少し残念なことです。
商品を購入した方が、効果を得られる前に断念してしまう。
すなわち購入した目的が達成できていない、ということ。
- 美しい髪でいたい
- ナイトキャップを購入し夜もヘアケアしよう！
- ゴムが合わない、外れるなど様々な理由で続かない
- 効果が現れる前にやめてしまう
その課題を解決するところに、私たちの役割があるのではないか？と感じました。
実際、スタッフ含め検証してみると、レビューの通りでまだまだ改善の余地があると感じました。私たちなりの改善した方法は後述します。
ナイトキャップのおすすめ素材
結論から言うと、「シルク」の「織物」が断然良いと思います。
私どもが絹織物工場だから、、というのはさておき、客観的にナイトキャップの主目的に一番マッチするものといったら、糸の性能・性質、布の形状を見ても明らかです。
なぜ「シルク（素材）」の「織物（生地の種類）」がおすすめなのか？
論理的に説明します。
素材という視点で見た時の「シルクの優位性」
- シルクの吸湿性・発散性は綿の１．４倍でムレづらい
- シルクの温度を一定にたもち乾燥を防ぐ。
- シルクは夏はひんやり、冬は温かい
- シルクは動物性タンパク質で安心
- シルクの「生糸」は毛羽立ちが少ない（※紡績糸だと毛羽立ちがある）
生地の種類という視点で見た時の「織物の優位性」
- たて糸とよこ糸がしっかり交わっ生地で密度が細かくしなやか。
- 表面の凹凸が少なく髪への摩擦が少ない。
- 毎日使うものなので耐久性が高い。
寝るときに頭にするキャップですから、
・汗もかくし蒸れる。よって通気性、吸湿性、発散性が高い方が良い。
・化学繊維より天然繊維の方が安心である。
・毛羽立ちが少なく、サラサラして摩擦を抑える生地がよい。
という訳です。
もちろんシルクの織物が完全無欠ではありません。
- 生糸でできた上質なシルク生地は値段も高くなる。
- 織物は伸び縮みしないのでデザインが重要になる
など課題もあります。
シルクの織物ってどのような生地ですか？
一般的に「ナイトキャップ シルク」で検索すると出てくる商品は主に「サテン」と言われる「シルク」の「織物」です。
とても光沢があり、まさにシルクという美しさ。でもシルクの生地にも色々種類があるんです。
織物についてちょっとだけくわしくなる話
織物といっても３種類に分かれます。平織、綾織、朱子織の３つの織り方があります。それぞれに、たて糸とよこ糸の交わり方を変えることで生地の特徴が生まれます。
平織（ひらおり）
たて糸とよこ糸を交互に交差させた一番基本的なもの。
頑丈・丈夫、摩擦につよい。表面がサラッとしている。生地に表裏もありません。
綾織（あやおり）
できあがった模様は左右非対称になり織組織の関係上、生地の表面はタテ糸の割合が多いです。
平織りに比べると摩擦に弱く強度に欠けますが、地合は密で柔らかく、伸縮性に優れ、シワがよりにくい等のメリットがあります。
朱子(繻子)織（しゅすおり）
交錯点が上下左右とも隣接しないように規則的に飛ばした織り方が特徴です。
糸が長く渡る組織のため、なめらかで滑りがよく、光沢があります。
ドレープ性がありますが引っ張りや摩擦に弱いというデメリットがあります。
この中でどのシルク織物の生地どれを選べばいいの？
どれも大丈夫です。ただ、特徴が少し違ってきますので参考までに知っておくと良いと思います。
例えば、一番多く使われている「シルクサテン」
届いた時のシルクらしい光沢感には目を奪われます。しかし耐久性はいまいち。織り方から毛羽立ちが起きやすく、何度も使って傷めば光沢感の差がはっきりしてきます。
また「裏がシルクでない！だまされた」のようなレビューを多く見かけました。
サテンは、表に光沢を出している分、裏は光沢がなくなり、肌触りも少しザラッとします。
艶々の生地で髪をまもれる、と思ったけれで、裏が光沢がないから髪に優しくない、と思ったのでしょう。
でも光沢の違いだけで、シルクだとは思うので安心してください。
私たちは商品特性上「平織り」の生地が向いていると思います。
光沢はサテンより少ないですが、上品な輝きで何より丈夫でしっかり。表面はサラサラ。ちょっとした違いですが、手触りでは明らかです。
ニットタイプのナイトキャップはどうなの？
上であくまで目的に対して最大の効果を求めるなら「シルク」の「織物」が良いと思いました。
ただ、何を目的とするかで変わると思います。
ニットタイプの場合、伸縮性もあるため着用はしやすいでしょう。ただ締めつけ感はゴムよりゆるいと思いますし、素材から多少すべりづらいと思います。シルクのニットタイプなら、保湿性も出ると思います。
ただ、洗っていると伸びやすいと思います。伸びるとフィットしなくなるでしょう。生地の組織的に髪にとてもよいとは思えません。毛羽立ちも起きやすいです。
どんなものでもメリット、デメリットあるので、色んな面を総合的に判断して頂くのが良いかと思います。
形状はどういうのがよいの？
私たちがネットで検索した時に一番多く目にするのは、このような形だと思います。
楽天・Amazon ナイトキャップで検索しました。
これらは検索上位（広告）でありますが、ほとんどが似たもので大きな違いはありません。ただ、上で記載したとおりレビューによる商品の課題は、これらの商品に対してです。その課題を大きく３つに分けてみました。
１．使いやすさの課題
２．ゴムによる課題
３．見た目の課題
ナイトキャップをより使いやすくするには？
＜レビュー内容＞
- 朝になったらナイトキャップが外れていた。
- 寝ている間、頭が蒸れて頭皮が痒くなった。
- 髪を帽子の中にいれるやり方がよく分からない、分かるけど面倒
- まくらカバーにすればよかった。
髪をキャップの中にいれるのが手間であったり、寝ているとキャップが外れたり。。。
寝返りをうつと外れるやすいし、はずれないようにするとゴムがきつく痛くなる。
間違いなく髪に対して良い効果はあるのでしょうが、継続できずやめてしまわないような設計にできないのでしょうか？
ゴムを使わないナイトキャップができないか？
＜レビュー内容＞
- ゴムの締め付けが気になり安眠できない。
- ゴムの後が額についていた。頭痛する。
- 長期間使うとゴムが伸びて外れやすくなった。
似たような形状でも、ゴムのものと、後ろで紐をしばるものがあります。しかし、検証した限りあまり使い勝手が改善されていない気が。。
紐をしばるタイプの使いづらく感じたのは、紐をしばって頭にあうサイズにしてからだと髪をキャップの中に入れづらい。
逆に、髪を中に入れてから紐をしばろうとすると髪がでてきてしまう、ということ。劇的に何か変わった、という感想は得られませんでした。
見た目の課題
＜レビュー内容＞
- 給食帽のようなデザインが好みでない
- ギラギラした光沢感が寝衣とマッチしない。
- 表は光沢があるが、裏がシルクでなかった（ないと感じた）。
主観となり申し訳ありませんが、小さい頃、給食当番のときにかぶった給食帽を連想します。
またシルクサテンの美しい光沢はギラギラしすぎていて、同じ素材のシルクパジャマと合わせるなら統一感がとれますが、最近はスウェットなど着て寝る方も多く、素材感がアンマッチなのではと感じます。また裏についてはおそらく、シルクサテンは生地表は光沢がありますが、その分裏側は光沢がなく、肌触りも変わります。その点で
まくらカバーとどちらがよいの？
寝ているときに髪をケアする商品として、より一般的なのは「シルクのまくらカバー」と思います。
では、まくらカバーとナイトキャップの違いは何でしょう？
着用について
まくらカバーのは、まくらにセットしておくので、寝る前に身に着けるなどがないので楽です。（ただし、衛生的には頻繁に洗う事がおすすめです）。また外れたりすることもありませんが、寝返りなどでまくらから外れてしまった場合には効果ありません。ナイトキャップは寝る前に着用するひと手間があり、寝ているときに外れてしまったら効果ありません。
ケアの範囲について
まくらカバーは想像のとおりに髪とまくらの接点を保護します。つまり摩擦の軽減につながります。ただし、乾燥によるダメージは防げません。
絽紗が提案する新しいナイトキャップ
「スタイリッシュ」「かんたん」「あたたかい」
オープンフードスタイルのナイトキャップ
より「スタイリッシュなデザイン」に。
生活スタイルも変わり寝るときに服装も変わりつつあります。
現代の生活にマッチし使いやすいデザインにしました。
より「使いやすく」「かんたん」に
長きに渡り浸透しているデザインを変えるのは勇気がいるもの。
もちろん効果性などで良い面もあると思いますが、もう少し使い勝手を考慮したものがあってもいいはず。
フードスタイルでかぶることで簡単ヘアケアを目指しました。
肌ケア・冷え対策に
寝るときに温かいのがよいという意見が多いこと。
髪ケアするなら同時に肌もケアしたい。温かいほうがいい。
デコルテ、首周り、肩、横向きなら頬もケア。
寝るときマスクとの組み合わせでより温かい。
締め付けゼロ
ゴムの強弱による課題はなくしました。フードをかぶるだけなので締め付けは０。
脱げづらくするために、深めのフードにしています。
フードタイプのきっかけ
商品開発の時の話になりますが、防寒・寝癖対策で綿のパーカーをかぶって寝ているスタッフがいました。
シルクのフードタイプに切り替えて寝てみたところ、
髪のまとまりがでた、艶がでた、と変化に驚き・シルクの高い効果性を確認できました。
それでいてフードタイプだと、かんたんで温かいのです。
サラサラとした生地、保湿性、保温性、気持ちの盛り上がる質感、すべてに満足とのこと。
ナイトキャップの効果、分析まとめ
・ナイトキャップは主に寝るときに髪をケアするための商品
・髪と寝具の摩擦を防ぎ、寝癖がつきづらくする。
・毎日きちんと着用すれば、美髪に向けて効果が見込める。
・ただ外れる、ゴムが痛いなど、課題も多い。
・ナイトキャップのデザインは色々ある。
・素材はシルクが断然おすすめ。
・シルクの中でも「織物」がより効果的
