絽紗がどのようにできているのか、全体を俯瞰できるように、ストールの構成要素をイメージしながら説明していきます。
まず、大きなくくりで見ていくと、ストールは糸からできています。そして、その糸を使って布を作り、色をつけたりします。
ストール-もととなる糸
糸といっても、その原料が何か?糸のもつ特徴もあれば、その糸をどういう状態で使うか?というように分かれていきます。
ストール-もととなる糸-糸の原料
大きく分けると、天然繊維か化学繊維かに分けられると思います。
天然繊維といっても、色々ありますが、ここも大きく分けると2つに分けれます。
ひとつが動物系のもの。シルクは蚕から。ウールはヒツジやヤギなどからです。
もう一つは植物系のもの。綿や麻など、です。
ストール-もととなる糸-糸の特徴
次にその糸の特徴があります。ここでは糸の機能性(吸水性とか紫外線吸収率とか)ではなく、外的な要素でみていきます。
すると長繊維と短繊維で分けられます。
長繊維は、一本の長い糸でできあがっているもの。
短繊維は、短い糸をつなぎ合せて長くしているもの、です。
例えば、ウール。羊の毛は短いですよね。それを何本もつなぎ合せて長い糸にしています(紡績といいます)。
シルクは繭から糸をひくと1㎞以上にもなります。(実際は細すぎるので、何本か束ねて生糸にします)
それぞれ特徴があり、長繊維は引っ張りに強く、けばがなく,光沢がよい、とされています。
シルクは天然繊維で唯一の、長繊維です。
ストール-もととなる糸-糸の状態
その糸をどのようにして使うかですが、撚りをかけたり、先染めの場合は、色を染めます。
撚りとは、何本かの糸を束ねてねじって、一本の糸のようにすることです。
そうすることで、丈夫になりますし、使いやすくもなります。
またねじり方を工夫することで、布の表面に色いろな表情を生みだします。
もちろん、撚りをかけない場合もあります。
絽紗では、濡れ緯(ぬれよこ)という五泉絹織物の伝統技術で、糸を水に濡らして吸着力で何本か束ねて、1本のよこ糸のようにして使うものもあります。
ストール-糸の使い方
次に、もととなる糸をどう使ってストール(布)にするか?です。
大きく分けると、織り物か編み物に分けられます。
織り物は、まずたて糸を作り、そこによこ糸を入れて布を作ります。
編み物は、一本の糸をからませあって布を作っていきます。
それぞれ特徴が違います。織物はたて糸よこ糸で生地が作られているのでしっかりとした生地に。編み物は柔軟性や収縮性に強みがあります。
さて、たて糸とよこ糸が交差してできる織物ですが、織り方によって出来上がる布が変わります。基本の3原組織というものがあり、平織、綾織、朱子織に分かれます。詳細は割愛しますが、それぞれ特徴があり、丈夫な織り方、光沢を出す織り方、などなどです。
その3つの組織に、「からみ織」を加える場合があります。(からみ織の詳細は、絽と紗についてを参照ください)絽紗では主にからみ織である絽や紗、紋紗を用いています。
ストール-布に加工
できあがった布。先染めの場合は既に色がついて柄が織り込まれているでしょうし、後染めの場合は真っ白な布が一度できあがります。それに色いろな加工をします。色を付けたり、装飾をつけたり、機能性をアドオンしたりです。
絽紗は全て後染めです。後染めといっても2パターンに分かれていて、反物の状態で染めを行ってから、カットしてストールにする場合と、先にストールのサイズで縫製し、白いストールの状態で染を行う場合です。
それぞれ異なる技術の染工場や染職人と連携して色をのせていっています。